2025年9月15日から19日にかけて、国際科学技術パーク・イノベーション区域協会(IASP)2025世界大会が北京で盛大に開催されました。
本大会は世界のサイエンスパーク界における「オリンピック」と称され、最先端の理念と実践が交わる国際的な舞台です。
今大会はIASP と北京市人民政府の共催により開催され、
「追求卓越 ― イノベーションクラスターが牽引する高品質発展」
をテーマに、世界97の国と地域から約800名 のサイエンスパーク指導者、研究者、企業家が参加しました。
北京市の市場化イノベーション支援プラットフォームとして、中関村は積極的な発信、国際連携、実地視察を通じて、独自の「中関村モデル」を世界に向けて力強く示しました。
(出典:ユーザー提供資料「IASP会议纪要-日本官网宣发内容」)
IASPの臨場感をお伝えできるよう、開催の様子をレポートさせていただきます。
1. ハイレベル発信:中関村の知見が世界の対話をリード

本大会では127本の論文が採択され、そのうち中国側からは46本、中関村は18本を発表し、北京市全体の55%を占める存在感を提示し、76のスピーキング枠のうち18枠を中国側が獲得し、中関村関連機関が「低炭素転換」「都市再生」「イノベーション生態構築」などのフォーラムで成果を発信いたしました。
中関村の経験と研究成果は、世界のイノベーション対話を牽引する要として高く評価されたことが示されています。
2. オープンイノベーション:国際協力ネットワークが大幅アップグレード
IASP 2025 の基調は「オープン・コラボレーション(開放協力)」。

中関村は世界との協働をさらに加速させ、国際連携の新しいステージを切り開きました。

閉会式で発表された “三大協力招請”
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1.原始革新の共同推進
- 基礎研究・技術ブレイクスルーで各国研究機関と連携
- 科学者の自由な交流と越境協働を支援
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2.グローバル・イノベーションネットワークの共創
- 中関村フォーラム × IASP の国際プラットフォームを活かし
- サイエンスパーク連携、投資基金協力、クロスボーダーサービスを強化
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3.重点産業の成長機会を共有
- AI・ライフサイエンス・半導体など中核分野を世界に開放
- 企業・起業家と共にグローバルな産業発展を促進
15カ国・42件の国際協力に一挙調印(中関村9機関 × 各国15組織)


参画した国際組織の例:
- フランス:Inovallée サイエンスパーク
- シンガポール:JTC(裕廊グループ)
- タイ:ソンクラー王子大学サイエンスパーク
- タイ:チェンマイ大学サイエンスパーク
- ベトナム:ハノイハイテクパーク管理委員会
- フィンランド:Berggren 欧州知財法律事務所
- 韓国:ソウル経済振興院
- ブルガリア:国立・世界経済大学
- etc…
協力領域は以下を網羅:
- AI、ライフサイエンス、IC、IIoT、スマート製造、グリーンエネルギー
- 共同研究、産業連携、海外市場開拓、知財保護、インキュベーション、人材育成
中関村のオープンなイノベーション生態は、世界の産業集積構築に向けた新しい可能性を示しました。
3. 実地視察:ハード×ソフトの融合エコシステムが国際的評価を獲得

大会では7つの視察ルートが設定され、40カ国以上のゲストが中関村のイノベーションエコシステムを現地体験しました。

訪問先の例:
- 中関村(亦庄)国際ロボット産業園
- 中関村ソフトウェアパーク
- 中関村生命科学パーク
訪問者より評価されたポイント:
- 1km²あたり2,000億元超の産業生産額を実現する高度な産業集積
- 「研究開発 → 投資 → シーン実装」を一体化したフルスタック支援モデル
- 活発な産業クラスターがもたらす高効率な循環エコシステム

会場内外で展示された技術・製品は、中関村の国際戦略と技術サービス体系の多様性を強く印象づけました。

未来へ向けて発信を加速する「中関村モデル」


IASP 2025 世界大会はイノベーション成果の披露の場であると同時に、国際協力の新たな出発点でもあります。
中関村は今後も、世界とつながるイノベーションモデルの拡大と国際協力のさらなる深化へ貢献し、未来産業の共創推進を行ってまいります。
今後とも中関村の発展、および北京中関村日本駐在事務所にご刮目ください。